研究活動・医療活動


研究活動・医療活動

現在私は、日本免疫学会の評議員です。日本内科学会および日本癌学会の会員であり、また、補体研究会新規ウィンドウの会員です。また、極く最近、補体研究会新規ウィンドウの名誉会員にしていただきました。
現在の私の研究活動について述べます。今でも一番の興味の対象は補体です。私自身が直接実験をしたりすることはありませんが、下記のように、補体を通じて、研究や医療に繋がる仕事をしています。
補体は、全国の医師の殆どに、余り詳しく知られていません(だからこそ、私が解説書を書きました)。ところが、補体が異常な疾患は案外多く、臨床外来で、ベッドサイドで、しばしば補体異常が見つかります。そのとき、この患者さんの血液を調べて、更に補体成分を測定し、更なるデータを見て、解析し、患者さんの身体の中で何が起こっているかを明らかにする必要があります。それによって、何の病気かを診断したり、治療方針を決定したりするために必要だからです。遺伝性血管性浮腫という病気の場合は、補体異常の緊急の状態で、直ぐに診断・治療をしないと即、命に繋がります。
この患者さん達の補体の更なる検査・測定を行い、解析して、患者さんの体内で何が起こっているかを明らかにする施設が、日本で一カ所だけあります。神戸常盤大学・保健科学部・医療検査学科の教授、畑中道代先生の補体グループです。私は現在この大学の客員教授であり、同グループの顧問です。私たちは、無償で行っています。
その具体的な内容は、補体研究会のホームページ新規ウィンドウに載っています。
こうして、私たちのグループは、全国の医療機関から寄せられる補体に関する問い合わせや相談あるいは解析依頼を受けているのです。それによって、患者さんの診断・治療に役立ったり、世界でも稀な補体の欠損症を発見したりしています。
以上が、現在の私の補体(医学、医療)との繋がりです。

補体シンポジウム

一般に研究者が研究内容を発表する場は、当然学会発表と論文発表です。補体の研究をしてきた私の場合、若い頃から熱心に参加してきた学会は、補体シンポジウムという学会です。約30年以上、深く関わってきました。
ところが、この数年は、管理職になった等の諸般の事情で、研究活動もこの学会への参加の頻度も低下し、私自身は半分引退したような気分でいました。そんな2013年春、補体研究会の若宮会長から、「補体シンポジウム50年の歴史」をテーマとする講演、を私に依頼するメールが突然舞い込みました。
上手くできる自信はなかったため、久しぶりに数週間、大真面目で勉強しました。その甲斐あってか、旭川大学での講演は、好評をいただき、(次回の抄録集やHPに載せるために、文章化すべし、との依頼までいただき)胸を撫で下ろしました。この件は、私にとって2013年の最大のトピックスになりました。